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令和6年3月13日 建設通信新聞
建設通信新聞

インタビュー

能登半島地震
復興第2次提言で私案
手厚く強力な財政支援が必要
今秋にも強靱化実施中期計画

参院議員 佐藤 信秋 氏

自民党の「令和6年能登半島地震対策本部」の事務局長代理を務める佐藤信秋参院議員は、日刊建設通信新聞社のインタビューに応じ、同本部が近くまとめる「能登半島地震からの復興のための第2次提言」に関する私案について語った。この中では、被災した地方自治体に対して復興基金などを活用した手厚く強力な財政支援の必要性を指摘。また、同党国土強靱化推進本部長代理の立場から、国土強靱化実施中期計画を今秋にも策定し、2024年度補正予算で同計画に基づく新たな事業費配分や、現5か年加速化対策の残事業費への上乗せなどを検討すべきとの考えを示した。

佐藤議員は発災2日後の1月3日から4、7、8日にかけて富山、新潟両県、2月16、29日には石川県輪島、珠洲両市をはじめとする被災地を視察した。被災地について「非常に厳しい状況であり、建物の被害が多い。道路啓開などを担った建設業界の尽力により当面の応急復旧には見通しがついたが、インフラの本復旧には地元関係者との十分な意見調整と実行が必要だ」と述べた。

私案では、被災した自治体に対して復興基金や復興特別交付金などによる手厚く強力な財政支援が不可欠であることを第1項目に記載した。その理由について「何をするにも事業費が必要だ。自治体の動きが取りやすいよう地元の負担を極力減らすべきだ」と強調した。

仮設住宅など、当面の住まいに関しては「みなし仮設・みなし避難所」の活用を改めて訴えるとともに、地元建設業の活躍の場提供や仮設住宅から復興公営住宅への転用などの観点から木造建設型仮設住宅も整備すべきと説いた。

インフラの改良復旧に当たっては、国道249号で大規模な崖崩れが発生した箇所の再度災害防止の観点から「場合によっては橋梁、トンネルなどの活用を含め、復旧計画の早期確立と実行」を求めている。隆起、横ずれなどにより使えなくなった港湾・漁港に関しても早急な復旧計画のための意見調整と実行が必要だとした。

私案にはこのほか、▽輪島の朝市(早期復活のための意見調整計画の確立と実行)▽液状化宅地の復旧(道路などの液状化対策と沿道住宅、建築物の取り合わせの早期調整と実行)▽防災集団移転と災害公営住宅の活用▽災害廃棄物処理(市町村単位では困難なため、広域処理と費用助成の強化必要)▽上下水道の早期復旧(耐震化の強化と一定の分散型配置)――などを盛り込んでいる。

また、国土強靱化実施中期計画については「今回の震災の教訓を整理しながら推進本部メンバーの意見を聞き、できるだけ早期にまとめたい」とした上で「現5か年加速化対策の残事業費は国費ベースで約8500億円しかない。新しい計画のもとで初年度事業費という選択も一つの考え方だ。いずれにしても24年度補正予算では、物価上昇分も含め、1兆2500億円以上を確保すべきだ」と力を込めた。