新聞記事
令和6年2月8日 建設通信新聞
建設通信新聞

《時流読解》
政府と自民党
今国会に4法改正案を提出
品確法・入契法・測量法・建設業法
担い手確保を主眼に施策追加

自民党の「公共工事品質確保に関する議員連盟」(会長・根本匠衆院議員)は、議員立法による公共工事品質確保促進法(品確法)、入札契約適正化法(入契法)、測量法の改正骨子を固めた。党内の法案作成プロセスや他党との調整を今後進め、今通常国会に3法改正案を提出する。政府は建設業法・入契法改正案の提出を予定していることから、建設業と建設関連業に直接影響する4法の改正が審議される見通し。政府と自民党は6月23日までとなっている会期中での一体的な成立を目指す。担い手確保に主眼を置いた施策を追加する。

議員立法による3法改正の柱は、▽担い手確保のための働き方改革・処遇改善▽地域建設業などの維持に向けた環境整備▽新技術の活用などによる生産性向上▽公共工事の発注体制強――の四つ。

主な施策を見ると、担い手確保に向けた措置として品確法で、国が公共工事実施者(下請け)による賃金支払いと休日取得の実態を把握・公表し、その実態を踏まえて公共工事従事者の適正な労働条件確保に必要な施策の策定・実施に努めることを追加する。地方自治体による施工時期の平準化に当たり、関係部局間で連携することを加える。施工時期の平準化は現行法で発注者の責務に位置付けられているが、部局によって取り組み状況に差が見られるため、関係部局の連携を法律事項に定める。受注者の責務には、雇用する者の能力に応じた適切な処遇確保を追加する。

地域建設業の維持は品確法で、地域の実情を踏まえた競争参加資格や発注規模の設定、技術力がある事業者と地域に根差した事業者の災害時連携、被災状況把握への災害対応経験者の活用を発注者の責務に位置付ける。災害協定に基づいて受注者が災害応急対策工事を実施する場合、労働災害や第三者への損害賠債に関する保険契約締結を受注者の責務とし、その保険料の予定価格への反映を発注者の責務に加える。

生産性向上では、新技術の活用、脱炭素化の促進、技術開発の推進を品確法の基本理念や発注者の責務などに追加。発注体制強化に向けては、国と都道府県による公共発注者の職員育成支援を品確法に位置付けるとともに、入契法で国による自治体への勧告制度を新設する。入札契約適正化に向け、現行法で定められている要請より踏み込んだ行政指導を可能にする。入契法を所管する国土交通省は勧告の運用方法として、要請しても改善が見られない場合に行う2段階での実施を想定する。測量法も担い手(測量士・測量士補)の確保に主眼を置いた改正内容とする。

議連が3法の改正骨子を固めた2日の総会で根本会長は、「品確法は産業政策法だから、閣法だと法律にここまで書く必要はなく、運用やガイドラインで対応すればいいじゃないかと言われることも、法律に盛り込む必要がある」と強調し、関係省庁間の調整を要する政府提出の閣法では実現困難な施策を盛り込めたことに胸を張った。施工時期の平準化に当たっての自治体による部局連携や、入札契約適正化に向けた国の勧告などを念頭に置いた発言とみられる。

政府が提出予定の建設業法・入契法改正案も、中央建設業審議会・社会資本整備審議会の基本問題小委員会が23年9月に公表した中間取りまとめを踏まえ、担い手の確保や生産性向上などに主眼を置いた改正内容になる見通し。

議連総会で国交省の塩見英之不動産・建設経済局長は、同じ方向性で改正を目指す品確法、入契法、建設業法が一体的に運用されることにより、公共工事での先駆的な取り組みを民間工事を含む建設工事全体に広げられ、「(民間が発注した)純粋な民間工事を含め、一定の枠がはまったルールの中で競争いただくことが可能になる」と力を込めた。